読んだもの雑記

主に漫画の感想を書いていきます

私が漫画編集者を降りた理由②

「好きなこと」と「できること」は違う。
ゆるく言えば自分の適性、大げさに言えば自分の限界に向き合った上での
実感でした。
当然「好きなこと=できること=むいていること」と信じて
転職したわけですから
それなりにショックではありました。
いやいやいや「限界」って大げさっしょ、たった半年で。
もちろん、結論を出すには性急です。しかし、自分の資質云々とは別に
「おや」と思うことがありました。
「漫画を描くのは、漫画家さんなんだ」。
何を当たり前のことを言っているのかとお思いでしょうか。
ちょうど発売になった「働きマン」3巻所収エピソードP145にもあるように


「今までは 自分さえ動けば仕事が始まり 仕事が終わった
 人に動いてもらうには どうすればいいんだ」

ここに、漫画(=文芸も)編集者独特の苦労があるといえるでしょう。
そこは苦労じゃなくて、醍醐味なんですけどね。本来は。
ちなみにこれは、週刊誌張り班から週刊コミック誌へと異動になった
菅原のエピソードです。
ところで「担当編集者が原作者?」というウワサのある某社で
漫画編集をした経験のある某氏と話をする機会があったのですが。
そりゃーもー上がってきたネームを徹底的に叩くらしいですね。
詳細は書けませんし、その話自体がずいぶん前の出来事なので
今なお↑そうかどうかはわかりません。とはいえココまでやれば
「担当が原作者?」ではなくとも、確実に「共同制作者」です。
で、そのやり方だけが正答ではもちろんなく。
どんな職業でもそうかもしれませんが、
編集者も「いろんなタイプの編集者がいてもいい」と
される仕事です。たとえばある種の職業だと
「数字に弱いのはダメ」「外向的なほうがイイ」
など、好ましいとされる性質があるでしょう。
編集者についてはその辺が割と自由。
みんながみんな「人と接するのが好き」じゃなくてもいい。
明るいタイプ、に気後れする作家さんだっているわけで。
おっと話が少しズレました。
やり方はどうあれ「漫画家さんをその気にさせる」のが
漫画編集者の仕事です。
実はココでも、自分の弱点とぶつかりました。
そう、私、「人に頼むくらいだったら、多少面倒でも自分で何とかしちゃう。
その方が却ってラク」なタイプだったんですよ。んもー。
しかし、この辺の自己認識が、その後
「自分はどういう編集者でありたいのか」を
見直すきっかけになりました。不定期でつづく。