読んだもの雑記

主に漫画の感想を書いていきます

「きのう何食べた?」を観てふんわり思ったこと

ついに!「何食べ」ドラマ化。
よしながさんの作品については、以前にも
雑記を書いたことがありました。
地上波で連ドラかー楽しみだなーと思いつつ
過去数多の漫画実写化を見てきた経験から
あまり期待値を上げないようにして鑑賞。
うんうん。
「タチネコ」言いましたか(そこか)。
原作では描き文字で

 

大体女役って何だ
俺は「どっちかと言えば
ネコ」ってくらいの
ネコだ!!

 

というシーンです。「ネコ」だけで十分
隠語ですが「タチネコ」と1語足すことにより
未知の人に対して
「関係性について、こういう表現を使うのか」と
世界の一端を知らしめることになります。
原作1巻のエピソードは2007年に描かれたものですが
モーニング本誌で「タチネコ」は刺激が強い
言葉だったかな、と思います。
テレビの方が作品に接しやすい=多数の視聴者の
目に触れるようでいて「男2人暮らしのドラマ」だと
最初から明示しているので、見ている人は
実は選別されています。
対照的に「宇宙兄弟」(07年連載開始)目当てで
モーニングを手に取り意図せず
「何食べ」を読んだら「これ青年誌で描く内容?」
と思う人もいたでしょう。というか連載開始時に
「なんでモーニングなんだ」の声は
実際に挙がっていました。
もうひとつの作品「大奥」は「日出処の天子」のような
漫画が読みたいと訴えるよしながさんに
「ご自身で描いてみるのはいかがか」の声を受けて
「日天」掲載誌であったLaLaを擁する白泉社で
連載がスタートしました。
この雑記を書いた直後に発見したこちらによると
当初BL誌に企画を持ち込んだところ
「40代同士は…」でNGが出たとか。
自分は「カルバニア物語」で「Chara」を手に取ることは
ありますが、基本的にBL誌は購読したことがなく、
読者層も「同好の士」で支えているイメージがあります。
「モーニング」というJR新宿駅的な雑踏の場所で
「何食べ」の連載が始まり多くの人の目に触れることに
なったのは結果的にとてもよかったなと思っています。

 

渋谷区議会が「同性婚」の条例案を可決したのが2015年。
年長のゲイカップルが財産分与を念頭に置いて
養子縁組の相談をしにきたエピソードが2009年、
大家さんに同居人との関係を問われて思わず
カミングアウトしてしまったエピソードは2015年。
想像よりも早く、世間の理解は動いているなという
印象です。なんなら足踏みしている夫婦別姓関連と
肩を並べるくらいまで、問題意識としては
周知されてきたかのようです。
よしなが作品最初の実写化、月9枠で放送された
「西洋骨董洋菓子店」は2001年10月期。
そして原作最終4巻は1年後の2002年9月に刊行。
と過去事例に照らし合わせると「何食べ」原作も
そろそろ畳みのエピソードが来るのでしょう。
「西洋」本編の見事なエンディングが
「何食べ」ではどのような幕引きを迎えるのか。
ドラマが始まったばかりなのに「〆」が気になる
4月最初の日記でした。

 

…「西洋」同人は…語るのが難しい…。
でも、こちらも完結まで描いてくださって
ありがとうよしながさん…。
そして「何食べ」同人、
シロさん 「どっちかと言えば」
どころじゃないネコ…。